強酸性電解水による動物実験施設の衛生管理


福井医科大学医学部附属動物実験施設

向川市郎、前田秀之、加藤秀次、宮越久行、糸崎悦子、小泉 勤


 薄い食塩水を10V〜20Vの直流電圧で電気分解すると、陽極側に強い殺菌力をもつ酸性水(pH2.3〜2.7)と陰極側に殺菌力は弱いがタンパク分解力や油の洗浄力が強く、錆など酸化反応を起こさない性質を持ったアルカリ水ができる。強酸性電解水は安全で殺菌効果の強い消毒液として医療、厨房、食品、畜産などさまざまな分野での衛生管理に使われ始めている。
 我々の施設では、これまで手指の消毒に洗面器にヒビテン液を入れたものやアルコール系の噴霧消毒液(ウエルパス)などを用いていたが、使用感が悪いことに加えて維持費が高いなどの問題があった。 昨年、強電解水生成装置及び流水手洗い器を導入する機会があり、強酸性電解水を手指の消毒や施設内の消毒に使用している。当施設での強酸性電解水の使用状況と殺菌効果の有効指標とされる酸化還元電位(ORP)の経日変化を報告する。



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