第I部: 寄生虫 −このいじらしくも厄介な存在−


柴原 壽行
鳥取大学生命機能研究支援センター 動物資源開発分野


 寄生虫と聞くだけで、すぐさま「社会に巣くう寄生虫、あるいはダニ」、「パラサイトシングル」などの言葉が思い浮かべられるように、寄生虫という生き物は一般的にはあまりいいイメージをもって受け入れられていない。しかし生き物の一部としては、その種を維持するためにしたたかではあるが、見方を変えれば実にけなげとでもいうべき彼等なりの生存戦略を進化、適応の過程のなかで身に付けてきている。本講演では形態学的、生態学的観点からその一部を紹介すると共に、やはり我々実験動物施設をあずかるものにとっては厄介な存在であることに代わりはなく、昨今、我々の頭を悩ます幾つかの実験動物寄生虫についても時間の許す範囲で話題を提供したい。

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