第 II 部: ウエステルマン肺吸虫の2型―インド辺境に模式種を求めて―


柴原 壽行
鳥取大学生命機能研究支援センター 動物資源開発分野


 演者が寄生虫学研究の世界に魅せられた動機の一つとして、子供の頃「微生物の狩人」や「秘境探検物語」等の書物を読みふけることでふくらませていた夢をいつか実現させたいとの強い思いがあったことが挙げられる。過去20年間の私の研究生活の中で、その夢の実現への思いを僅かながらでも満たしてくれたのが、「アジア地域におけるウエステルマン肺吸虫の種分化に関する研究」活動への参加であった。特に、一般観光客が立ち入ることの出来ない制限地域である、ミャンマ−に国境を接するインドマニプールへの4回にわたる調査旅行は、極めてエキサイティングなものであった。本講演では、その研究の一端を紹介すると共に、主にはその地で目にし、耳にし、あるいは体験したことについて現地の人・風物を中心に紹介したい。

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