Miseqを使ったマウス・ラットの研究


東京農工大学・日本バイオデータ(12月設立予定)
緒方法親

Illumina社の次世代シーケンサーとして現在、Miseq・GAUx・HiSeq の3機種が利用されており、サンプル調整やクラスター形成にも違いがあるが、生物学者にとって意味のある違いはリード数にある。ショートリード型のこれらのシーケンサーでは、150bp以下の任意の長さの塩基配列解析を並列化させることで多量のデータを生み出しており、同じ質の配列データが異なる量で出力される。

次世代シーケンスデータを用いたバイオインフォマティクス解析において、データの量は導きだされた答えの信頼性や、再構築したいゲノム・トランスクリプトームのカバー率に影響する。また、研究の対象となる生物種によっても、信頼できる解析のために必要なデータの量は異なる。従って、次世代シーケンサーを用いて生物学研究を行うにあたって、必要なデータ量を研究対象生物種、研究アプリケーションごとに考える事が重要である。

今回はMiseqを使った研究を想定し、1200万リード以下のマウスのデータをもとに、RNA-seqとChIP-seqの解析を行った。RNA-seqでは発現変動遺伝子の抽出とスプライシングバリアンとの検出を行った。また、ChIP-seqでは転写因子に結合する部位の検出を行った。


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