富山大学動物実験施設での20年富山大学生命科学先端研究センター・動物実験施設 山本 博この度,私は国立大学法人富山大学での教員としての勤務を定年により終えることになりました。平成3年の秋にアメリカでの5年半の研究(カンサス大学医学部微生物部門及びハーバード大学医学部附属霊長類センター)を終了し,富山医科薬科大学動物実験センター助教授として赴任しまた。 私はそれまで,日本での微生物学研究(細菌・ウイルス)や米国でのサルを用いたエイズウイルスワクチンの基礎研究を行ってきた実験動物のユーザーでした。実験動物学は学生時代に非常勤講師として来られた母校獣医学部の先輩でありまた東大医科研教授でした故田嶋嘉雄先生より一週間の集中講義で,教わったきり15年以上経っていました。そのため動物実験施設の管理運営には詳しくなく,大学の先輩であり,その道の大家でありました慶応義塾大学教授,前島一淑先生に施設管理について教えをいただき同時に本学の応募にあたり推薦状をお願いしました。また,応募書類の一つである“採用後の施設の管理運営に関する抱負”には前島先生より“利用者が利用しやすい施設の管理運営”が大事である旨を教わりましたので,その事を中心に抱負作成した記憶が思い出されます。そのため,私は赴任後,前島先生の教えをモットーに施設の管理運営に努めてまいりました。 さて,定年にあたり,本日は専任教員としての研究教育,国動協(国立大学動物実験施設協議会...平成17年より国立大学法人)における活動(副会長校,幹事校,バイオセーフティー委員会,教育研修委員会,中動物委員会,調査委員会等),及び富山医科薬科大学動物実験センター(平成14年富山医科薬科大学生命科学実験センター動物実験施設,平成17年富山医科薬科大学生命科学先端研究センター動物実験施設,平成17年10月富山大学生命科学先端研究センター動物実験施設)における管理,運営(助手整備,第IV期,及び第V期増築)等について,お世話になった方々を思い出しながら振り返り,日頃,動物実験及び実験動物の研究や施設の管理に携わっている皆様の今後のご参考になれば幸いと思い,話をさせていただきたいと思います。 お集まりいただいた皆様との交流(お付き合い)つまり,私のこれまでの研究;実験動物学,獣医学,微生物学の研究生活から少し離れた自由な新しいスタートが始まったと思っています。皆様との業務を離れての新たな交流ができると思っています。今後とも長いお付き合いを期待します。 北陸実験動物研究会ホームページに戻る |