大学院講義:脳医科学Up-to-dateセミナー (遺伝子改変動物学セミナー)
「マウスにおける自然突然変異: その有用性と検出システム」
加藤 秀樹 先生
(浜松医科大学・医学部附属動物実験施設 准教授)
日時:1月17日(木)17時00分より
場所:医学部F棟1階修士セミナー室
マウスのクローズドコロニーは遺伝的にヘテロな集団であり,NODマウスをはじめ,疾患モデルとして有用な突然変異がいくつか見出されている。自然集団における突然変異の発生率は世代あたり1遺伝子でおおよそ1/105-6と言われ,その変異が何であれ通常の飼育下で突然変異を見出すことは幸運と言える。最近,演者はコロニーに内在する変異遺伝子を積極的に検出する方法を考案し,わずか数名のスタッフで4年間に13種類の異なる劣性突然変異遺伝子を得た。これまでに解析した異常あるいは疾患は,朱儒症(Tpo: Thyroide peroxidase),矮小精巣(Smc1b: Structural maintenace of chromosomes 1B),腎臓異常(Ptgis: Prostaglandin I2 (prostacyclin) synthase),軟組織石灰化(Enpp1: Ectonucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase 1),フレーザー症候群(Fras1: Fraser syndrome 1 homolog (human))などである。この発表では,代表的なこれら変異マウスの表現型と遺伝子解析の結果を含め,自然突然変異の有用性とその検出システムについて話題を提供したい。
尚,本セミナーは医学系研究科脳医科学専攻の「Up-to dateセミナー」として単位認定(0.2単位)を行います。
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