第15回生命工学トレーニングコースセミナー

「Targeted Genome Editing with Zinc Finger Nucleases」
− ゲノム工学の革命 あらゆる生物/細胞のゲノム改変を可能とする新しいツール −

杉本 貴司 氏

(シグマアルドリッチジャパン ライフサイエンス事業部)

日時:11月11日(木)17時00分より

場所:学際科学実験センターアイソトープ総合研究施設 1階会議室

Zinc Finger Nuclease (ZFN) は、Zinc fingerモチーフとヌクレアーゼ機能ドメインからなる人工キメラタンパク質であり、配列特異的にDNAを切断することができます。 この技術を応用することにより、ゲノムDNA上の任意のターゲット配列にDouble Strand Breakを非常に高い確率で引き起こすことができます

ZFNと細胞の持つゲノム修復機構を利用することにより、標的配列特異的なノックアウトが可能となります。 そのため従来熟練した技術と長い時間を必要とした遺伝子ノックアウトが、体細胞レベルで簡便にかつ短時間で行うことが可能になります。 また、ZFNとともにDonorとなるDNA断片を細胞内に導入することにより、標的部位特異的にノックインも自由に行えることになります。

本技術を利用することで、種々の細胞のゲノムを自在に改変することが可能となり、有用物質産生のための細胞加工や遺伝子治療・再生医療の研究など様々な分野への応用が期待されます。

さらにZFNを受精卵に導入することにより、ES細胞を用いることなくゲノム改変生物を作出することが可能となります。 本技術を利用することで、従来マウスでのみ可能であったノックアウト系統の樹立が、あらゆる生物種で行うことが出来、ラット・ゼブラフィッシュのtargeted knockoutが報告されております。 また最近、日本からもZFNを用いて免疫不全のモデルとなるノックアウトラットを作出した論文が発表されております。

本セミナーではZFNを用いた実験アプリケーションとシグマアルドリッチが提供するサービスについてご紹介いたします。

連絡先:学際科学実験センター遺伝子改変動物分野 浅野雅秀
TEL: 076-265-2460, E-mail: asano@kiea.m.kanazawa-u.ac.jp
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