第25回生命工学トレーニングコースセミナー

脳医科学専攻up-to-dateセミナー

「最新ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変動物作製法とフリーズドライによる新規精子保存法の開発」

金子 武人 先生

(京都大学大学院医学研究科附属動物実験施設)

日時:11月20日(水)17時00分より

場所:学際科学実験センターアイソトープ総合研究施設 1階会議室

近年,ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)やTALエフェクターヌクレアーゼ(TALEN),CRISPR-Casシステムといったゲノム編集技術が開発されている。これらは,ES細胞不要の新規遺伝子改変動物作製法として応用されている。このため,今後新規系統の増加が予想され,これらを遺伝資源として保存するバイオリース事業の整備も重要である。

現在,系統は生体での維持および精子・受精卵の状態で液体窒素で凍結保存されている。凍結保存は,生体での維持にかかる費用を削減できるが,保存系統増加に伴う設備コストおよび液体窒素の充填作業の煩雑さは避けられない。さらに,地震,台風等の災害による設備の破損や液体窒素の供給途絶は致命的であり,液体窒素不要の遺伝資源保存法は魅力的である。

インスタントコーヒーや医薬品の長期保存に汎用されているフリーズドライ(凍結乾燥)法は精子保存が可能であり,産子も得られている。フリーズドライ精子は,冷蔵庫(4℃)による長期保存および常温国際輸送にも成功しており,液体窒素不要の新規遺伝資源保存・輸送法として実用段階にある。本講演では,ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変動物作製法およびフリーズドライ精子保存法について紹介したい。

連絡先:学際科学実験センター遺伝子改変動物分野 浅野雅秀
TEL: 076-265-2460, E-mail: asano@kiea.m.kanazawa-u.ac.jp
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本セミナーは,脳医科学専攻up-to-dateセミナーとして単位認定(トレーニングコース受講生を除く)