第36回生命工学トレーニングコース招待講演

「マウス雌性生殖腺附属器官におけるエストロゲン受容体の役割について」

佐藤友美 先生

(横浜市立大学大学院 生命ナノシステム科学研究科)

日時:平成30年1月25日(木)16時00分より

場所:学際科学実験センターアイソトープ総合研究施設 1階会議室

エストロゲン受容体にはアルファ型とベータ型の2種類があ り、アルファ型はエストロゲンのシグナルを伝えるために必須ですが、ベータ型の機能はあまりよく分かっていません。 私たちは、新生仔期から性成熟後のマウス雌性生殖腺附 属器官におけるエストロゲン受容体の役割について、ノック アウトマウスを用いた研究を行っており、新生仔期のベータ 型エストロゲン受容体が、子宮上皮細胞の増殖に重要な 役割を担っていることを見いだしています。出生直後のマ ウスにエストロゲンを投与すると、卵巣に依存しない膣上皮 細胞の恒常的な増殖や、子宮上皮の重層扁平化など不妊 につながるさまざまな異常が引き起こされることが知られて います。したがって、出生前後のマウス生殖腺附属器官の 組織分化過程における性ホルモンの作用機構を解明する ことは、非常に重要な課題であると考えられます。これらの 研究成果について、最近の知見をお話しします。

連絡先:学際科学実験センター遺伝子改変動物分野 大黒多希子
TEL: 076-265-2460, E-mail: tdaikoku@kiea.m.kanazawa-u.ac.jp
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本セミナーは,医学専攻および脳医科学専攻up-to-dateセミナーとして単位認定